【書評】トヨタの会議は30分

目次
1. トヨタの会議は30分
2. この本をおすすめの人
3. 本を読んだ感想
4. 参考図書

 みなさんの会社の会議はどのくらいの時間をかけて行われますか。1時間、2時間、長いと1日とか。長いですね。退屈です。会議ってなんであんなに時間がかかるのでしょうか。寝てる人、発言しない人、パチパチキーボードをたたいて作業をしている人、資料をじっと読んでる人、発言ばかりで会議を拡散させる人、怒り口調でガミガミうるさい人。そもそも会議って何だっけ。

 そんな会議の不条理と非効率に悩まされている皆さん、ご一読を。

トヨタの会議は30分

タイトルトヨタの会議は30分
著書山本大平
出版社すばる舎
本体価格1,300円
ページ数210ページ
読了時間2~3時間

この本をおすすめの人

  • 会議の非効率と不合理に悩まされる人
  • 普段から会議が多いなぁと感じている人
  • 伝統的な日本の大企業に勤務されている人
  • 会議が嫌いな人
  • 経営幹部

本を読んだ感想

読みやすさ

 この本は大きなフォントで書かれているので、字面を追っていくという基本的なところでとても読みやすいです。章毎にまとめページもあるので、途中で立ち止まって読んだ内容を振り返ることも出来ます。読みやすく記憶に残りやすいような読者への配慮がされています。

会議の効率と質

 会議の効率を高める具体的なノウハウがいろいろ書かれているので、会議を効率化するには参考になる本だと思います。短い時間で会議を終えると内容や質が低下しそうですが、質を高めるための具体的なテクニックも書かれています。トヨタの会議では、効率と質の両面から会議を高めようとしている姿勢はいいなと素直に思いました。

トヨタマインドとコミュニケーション

「空気を読まない覚悟をもて」「自分の頭でとことん考えろ」といったトヨタマインドも紹介されています。会議の効率化・質の向上とは直接つながらない話のように思いますが、30分で会議を終わらせようとする会社の姿勢や考え方を著者は伝えたかったんだと思います。

 これだけ合理的な考え方で仕事をすると職場がギスギスしそうですが、コミュニケーションノウハウ的なことも書かれています。トヨタではアフターファイブの飲み会を大切にしているそうです。

 飲みにケーションは日本企業の伝統的なコミュニケーション方法で、必ずしも賛成する読者ばかりじゃないかもしれませんが、時代は変わってもトヨタでは有用と考えていることが興味深かったです。トヨタは伝統的な日本企業の一面をもっているんだなぁと思います

雑感

 コロナの流行で、在宅勤務となり、オンライン会議の多さに困っている方が多くなっているのではないでしょうか。ビフォアコロナの時の会議では、それなりに会議が進行していたのに、オンライン会議では会議の時間が増え、会議の非効率があらためて浮き彫りになってきたと感じている方もいると思います。その意味で時代にあった本のような気がします。

 それを前提とすると、正直、つまらない本だな~とも感じました。なんだろう、たしかにアジェンダを作り、発言し、聴き、次回までの宿題を明確にし、役割もはっきりさせ、・・・・。こんな効率化を図って、トヨタが志向しているらしい「お客様に付加価値を提供する」第一主義が発展していくのかな?という感じです。

 トヨタを始めとする自動車会社が次から次に出してくる新車は全然わくわくしないんですよね。たしかに、燃費は上がったし、ソファや内装の質も高まった、デジタル化された部分も多くなって便利になった。それだけで新車を買おう!という気があまりしなくなりました。空飛ぶ車なら楽しいです。水陸両用なら面白いです。車⇔ヘリコプターがボタン一つでチェンジしてどこにでも行けるならワクワクします。効率ばかり追い求めてもワクワクする製品やサービスにはあまりつながらないのではないか、とそんな気にもなりました。

自己採点(満点:☆☆☆☆☆)
読みやすさ☆☆☆☆☆
分かりやすさ☆☆☆☆☆
お役立ち度☆☆☆
ストーリーの一貫性☆☆☆☆
推奨度☆☆☆

参考図書

「超・会議術~テレワーク時代の新しい働き方」越川慎司(技術評論社)

「最高品質の会議術」前田鎌利(ダイヤモンド社)

「グーグル、モルガン・スタンレーで学んだ 日本人の知らない会議の鉄則」ピョートル・フェリクス・グジバチ(ダイヤモンド社)

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