目次 |
1. アフターデジタル |
2. この本をおすすめの人 |
3. 本を読んだ感想 |
4. 参考図書 |
最近、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉をよく耳にするようになりました。あらゆる分野のあらゆる業種にDX革新の波が押し寄せ、各会社のビジネスモデルや社会全体の仕組み自体が大きく変化していくと予想されています。皆さんの会社ではDXをどのように取り組んでいますか。小売り、流通、金融、IT、製造業など幅広い業種の多くの会社で大々的にDXを推進しているのではないでしょうか。
ただ、情報入手解析のプラットフォーマーの下で、おなじようなサービスばかりが蔓延ってしまった「後」(アフター)のデジタルとの付き合いってどうすればよいのでしょうか。みんな同じ顔つきじゃ、消費者はつまらないと感じてしまうでしょうし、会社の競争優位も認められずらくなってきます。
そんな「アフターデジタル」の世界を考える際、とても参考になる良書に巡り合いました。
アフターデジタル
タイトル | アフターデジタル |
著者 | 藤井保文、尾原和啓 |
出版社 | 日経BP社 |
本体価格 | 2,200円 |
この本をおすすめの人
- 会社のIT部門で働く方
- 会社のDX担当部門で働く方
- 中国のDXの最先端を知りたい方
- アフターデジタルとは何かを知りたい方
- ITベンチャーを起業しようとしている方
- DXを会社に導入したい経営者の方
本を読んだ感想
最近、中国では、紙幣や硬貨での決済が少なくなって、ほとんどがアプリ決済になってしまったという話をあちらこちらで聞くようになりました。
しかし、この本を読むまで、アリババ、テンセント、平安保険といったプレイヤーが、小売りや流通などの分野で、一気にリアルとバーチャルを融合する一大デジタルサービス(OMO)を展開しているという事実は全く知りませんでした。こういう物事をひっくり返すような力は、米中が突出しているとあらためて感じました。
今、思えば、このニュースに触れたときの違和感(なんで、日本の製薬企業が中国の保険会社とパートナーシップを結ぶのだろう)はこういう背景事実を知らなかったからだと思います。
塩野義製薬と平安グループとの合弁会社設立および合弁会社の事業計画
2020年10月13日 塩野義製薬株式会社、中国平安保险(集团)股份有限公司
ニュース | シオノギ製薬(塩野義製薬) (shionogi.com)
本書のあとがきでは、「価値」=「違い」×「理解」という公式が、このような時代で大切なこととして説明されています。
数多ある書評blogの中で、自分らしく「違い」を出していきたい、そこに新しい価値を作っていきたい、本書を読んでそう感じました。
自己採点(満点:☆☆☆☆☆) | |
読みやすさ | ☆☆☆☆☆ |
分かりやすさ | ☆☆☆☆☆ |
お役立ち度 | ☆☆☆☆ |
ストーリーの一貫性 | ☆☆☆☆☆ |
推奨度 | ☆☆☆☆ |
参考図書
「テンセント 知られざる中国デジタル革命トップランナーの全貌」呉 暁波 (著), 箭子喜美江 (翻訳)(プレジデント社)
「GAFA×BATH 米中メガテックの競争戦略」田中 道昭(日本経済新聞出版)
「アリババ 世界最強のスマートビジネス」Ming Zeng (原著), ミンゾン (著), 土方 奈美 (翻訳)(文藝春秋)