14歳って多感な時期ですよね。
著者は、14歳の時、本当に苦しくて落ち込んでいたそうです。その時の自分に語り掛けるように、「お金」の話をする本です。でも、なぜ、「お金」の話?ってなるんだけど、「お金」を通して、世の中の仕組みが分かったり、社会と関わることが楽しくなったから、多感な14歳の自分に伝えたい、って構図になっています。
もちろん、子供に分かるように話しているので、「お金」や「経済」の仕組みが、すごく分かりやすく説明されています。
目次 |
1. 14歳の自分に伝えたい「お金の話」 |
2. この本をおすすめの人 |
3. 本を読んで分かること |
4. 本を読んだ感想 |
5. 参考図書 |
14歳の自分に伝えたい「お金の話」
タイトル | 14歳の自分に伝えたい「お金の話」 |
著者 | 藤野 英人 |
出版社 | マガジンハウス |
発行日 | 2021/5/13 |
本体価格 | 1,500円 |
藤野 英人さんは有名な投資家さん。年齢は54歳。この本は40年前の自分に語る本ですね。
藤野 英人(ふじの ひでと)は富山県出身の投資家(ファンドマネジャー)、篤志家。レオス・キャピタルワークス株式会社の創業者の1人。レオス・キャピタルワークス代表取締役会長兼社長・最高投資責任者(CIO)
藤野英人 – Wikipedia
この本をおすすめの人
「お金」と「経済」の仕組みを知りたい方
「お金」を使う=誰かの「稼ぐ」の意味を知りたい方
「お金」を使う=未来の自分を作るの意味を知りたい方
「強い動機」と「人と違う見方」が「お金」をたくさん稼ぐのに必要な理由
高校生、大学生
本を読んで分かること
- 「お金」と「経済」の仕組み
- 「自分の稼ぐ」と「誰かの稼ぐ」の間を取り持つのが「お金」であること
- 「お金」を使うときに、自分の個性がとても出ること
社会に出る前に、学生さんが「お金」と「経済」の仕組みを知るにはぴったりの本です。もちろん、社会人になりたての方にも。
本を読んだ感想
子供にとって「お金」って不思議です。子供のころ、大人はあんなかみっぺらのためになんでこんなに関心を持っているのか、なんとなくもやもやしていました。大人に「貴方にとってお金って何ですか?」って聞くと、「生活するために必要なもの」「不幸にならないためのもの」「一番大切なもの」とか、そんな答えだと思うんです。
でも、もうちょっと、お金の本質というか、経済の仕組みを知れば、「お金」に振り回されなくなるかもしれない。そんな気がします。
お金とは何か
お金には、価値の尺度を示す役割、価値と交換する役割、価値を保存する役割の3つの役割があるといわれています。
お金には、大きく分けて(1)価値の尺度、(2)交換(決済)手段、(3)価値貯蔵手段 という3つの役割があります。
価値の尺度…品物の値段、モノの価値を示すという役割
交換(決済)手段…支払機能としての役割
価値貯蔵手段…お金の貯蔵手段としての役割
貨幣(4)お金の役割(価値の尺度、交換(決済)手段、価値貯蔵手段) (findai.com)
つまり、「お金」は、何かの価値をもつものに交換できる保存物、ってことになります。
そして、「お金」を「何かの価値のあるもの」に交換する際、「何かの価値のあるもの」を提供した方に「お金」を渡すわけだから、「お金」をもらうには、代わりに「何かの価値のあるもの」を提供しなければいけないってことになる。
つまり、「お金」をいっぱい稼ぐことは、「(誰かにとって)何かの価値のあるもの」をいっぱい提供することになるから、「お金持ち」は、とても、周りの人に献身的な人、ともいえる。それが自然に楽しくできないと続かないはず。
つまり、「お金持ち」の中に「お金」自体にあまり興味がない方が多い理由は、「お金持ち」は「(誰かにとって)何かの価値のあるもの」を社会にいっぱい提供することが楽しい人だろうから、その見返りの「お金」にさほど執着していないからじゃないかなと思います。
でも、著者の言うように、稼いだ「お金」を自分の未来の心地よい生活のために上手に使うこともすごく大切なんだという、当たり前のようなことだけど、あらためて感じました。
自己採点(満点:☆☆☆☆☆) | |
読みやすさ | ☆☆☆☆☆ |
分かりやすさ | ☆☆☆☆☆ |
お役立ち度 | ☆☆☆☆☆ |
ストーリーの一貫性 | ☆☆☆☆☆ |
推奨度 | ☆☆☆☆☆ |
参考図書
「投資家みたいに生きろ――将来の不安を打ち破る人生戦略」藤野 英人(ダイヤモンド社)
「スリッパの法則 プロの投資家が明かす「伸びる会社・ダメな会社」の見分け方」藤野 英人(PHP文庫)