【企業分析】美団(メイトゥアン)とはどんな会社?

 「美団(メイトゥアン)」は代表的な中国IT企業の1つです。最近、ニュースで「美団(メイトゥアン)」の名前を聞くようになりました。「美団(メイトゥアン)」とは、どんな会社なんでしょうか?

 当ブログでは、書評スピンアウトとして、興味深い会社を順次紹介していきたいと思います。最初の企業紹介は、「美団(メイトゥアン)」です。

1.  会社概要
2. 製品、サービス
3. 財務(決算情報)
4. 上場証券取引所、株価

会社概要

  引用:美団(メイトゥアン)ウェブサイト(Meituan

 会社のロゴは黄色の下地に「美団」と書かれています。「美団(メイトゥアン)」ウェブサイトでは黄色が多用されていますので、「美団(メイトゥアン)」のコーポレートカラーは黄色のようです。会社のロゴの横に「We help people eat better, live better」と、会社のミッションが書かれています。「美団(メイトゥアン)」は、「食と生活」を手助けする中国IT企業、と言ってよいと思います。

 本社は、北京市にあり、上海市や廈門市にもオフィスを構えているようです。2020年、社名が「美団点評(メイトゥアン・ディエンピン)」から「美団」に変わっています。

 社長は、王興(Wang Xing)さん。年齢は42歳(2021年4月現在)と若いです。「美団(メイトゥアン)」は、王興(Wang Xing)さんによって2010年に創業された新興企業です。約7万人の従業員がいて、ほとんどが本社の北京と上海で働いています。

製品、サービス

引用:美団(メイトゥアン)ウェブサイト(Meituan

 「美団(メイトゥアン)」の主要製品はスマートフォン上のアプリです。アプリの画面でもコーポレートカラーと思われる黄色が大きく使われています。このウェブサイトで案内されている会社の動画を見ると、多用なサービスをアプリで展開していることがわかります。

サービス類似する日米ITサービスの例ミッションとの関係
フードデリバリーUber Eatseat better
飲食店検索・予約食べログ、ホットペーパーグルメeat better
飲食店口コミ食べログ、ホットペーパーグルメeat better
飲食店の経営サポートeat better
ホテル検索・予約じゃらんlive better
自転車シェアライドサービスlive better
タクシー配車サービスUber live better
生鮮食品E-commerceAmazoneat better

「美団(メイトゥアン)」は、「We help people eat better, live better」という会社のミッション通り、「食」「生活」分野の様々なITサービスを展開しています。「食べる」「動く」に特化して生活シーン全般にわたってアプリで便利に済ませられるところに特徴がありそうです

 会社のウェブサイトで案内されている会社の動画を見る限り、サービスの便利さは、かなり高く、生鮮食品ECでは、スーパーマーケットで注文し30分程度で自宅デリバリーすることもできるようです。アプリ決済も可能です。

 「美団(メイトゥアン)」は、「食べる」「動く」に特化した生活に密着したITサービスを展開していますが、主力はフードデリバリーです。例えば、約3年前、自転車シェアライドサービスの会社を買収したと報じています。

Meituan Acquires Mobike, One of the World’s Largest Bike-Sharing Companies

BEIJING, April 4, 2018 /PRNewswire/ — Meituan, one of the world’s largest e-commerce platforms of services, announced today that the Company has entered into an agreement to acquire Mobike, one of the world’s largest smart bike-sharing companies. The acquisition will enhance Meituan’s capability to offer innovative transportation solutions with the addition of bike-sharing to existing ride-hailing and car-sharing services.

引用:Meituan

 

財務(決算情報)

売上&利益(2016-2020年)

出典:美団(メイトゥアン)ウェブサイト2021年アニュアルレポート(Meituan

売上げは順調に増加しています。2020年は約2兆円の売上げでした。利益は2019年から黒字化されてこれからといったところです。ITプラットフォーマーは、創業早期は利益度外視、規模拡大によってマネタイズが進み、黒字化していく傾向が見えますが、「美団(メイトゥアン)」も同じ戦略のようです。

資産(2016-2020年)

出典:美団(メイトゥアン)ウェブサイト2021年アニュアルレポート(Meituan

総資本も順調に増加しています。2016~2017年は純資産がマイナスなので債務超過状態であったことがわかります。2018年に負債が減少し純資産が増大していますが、2018年は純利益がマイナスなので、新株等を発行するなどして出資を受けたこと推察されます。

2019年アニュアルレポートでは次のように説明されています。

We had historically funded our cash requirements principally from capital contribution from shareholders and financing through issuance and sale of equity securities. We had cash and cash equivalents of RMB17.0 billion and short-term investments of RMB41.8 billion as of December 31, 2018, compared to the balance of RMB19.4 billion and RMB25.8 billion as of December 31, 2017.

引用:Meituan

2018年末に合計588億元(約1兆円)の出資を受けて債務超過が解消され、一気に財務がクリーンになったことがわかります。2020年時点での自己資本比率は約60%となっており、かなり安定的な財務となっています。この5年間で最も大きな赤字となりましたが、ここで大きな出資を受けたことで債務超過が解消され、さらに、その翌年に黒字化という財務的に大きな変化があったことがわかります。美団(メイトゥアン)にとって2018年は「勝負の年」だったと記憶されていることでしょう。

サービス別売上(2016-2020年)

「美団(メイトゥアン)」は、「食べる」「動く」に特化した生活に密着したITサービスを展開していますが、「食べる」に分類される「フードデリバリー」が主力事業です。2020年はCOVID-19のパンデミックで大騒ぎの年でしたが、日本でも飲食店の店舗営業時間がかなり制限されていたので、「フードデリバリー」「フードテイク」が流行しました。中国は一人っ子政策や高齢化の影響を受け、これから、「個食」が増えていくことが予想されますので、「美団(メイトゥアン)」の「フードデリバリー」は時代にマッチしたサービスと言えそうです。

上場証券取引所、株価

「美団(メイトゥアン)」は、香港証券取引所に上場しています。コードは「3690」です。

現在(2021/6/17)、株価は290香港ドル、時価総額は約26兆円です。

日本からも「美団(メイトゥアン)」の株式を購入できます。例えば、マネックス証券は、米国株と中国株を購入できますので、マネックス証券の口座を開設し、資金を口座に入れ、購入株数と購入単価(指値)を入力して購入完了です。

出典:美団(メイトゥアン)ウエッブサイト(Meituan

出典:美団(メイトゥアン)ウエッブサイトー2020年アニュアルレポート(Meituan

出典:美団(メイトゥアン)ウエッブサイトー2018年アニュアルレポート(Meituan

出典:Google Finance – 株式市場価格、リアルタイムの相場、ビジネス ニュース 2021/06/16

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